武田信玄〈上〉 (講談社文庫)



武田信玄〈上〉 (講談社文庫)
武田信玄〈上〉 (講談社文庫)

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武田信虎と村上義清

信玄を美化するためか、悪評が多い武田信虎ですが、この著書では、優勢な今川勢の度重なる侵略を退け、国内豪族を従え、甲斐を統一していく信虎の実績について書かれており、これを見ると、信虎は当時ジリ貧であった武田家を繁栄に導く礎を築いていたように思われます。
また、村上義清ですが、信濃北部の豪族でありながら、武田軍と勇猛に戦い、武田軍に甚大な被害を与えています(上田原合戦と後世、「戸石くずれ」と呼ばれる戸石城をめぐる戦い)。武田側では、板垣信方、甘利虎泰、初鹿野伝右衛門、横田高松などの重要人物がこれらの合戦で落命しています。
武田軍におごりがあったとしても、武田に領地を追われた武将や兵たちをまとめ、二度までも撃退させた村上義清の力量には驚くばかりです。
長野県人には興味深い

越後の上杉謙信と甲斐の武田信玄、間に挟まれた信州長野県には当時有力な武将はいなかったのかしらと以前から疑問に思っていた。この本は、その疑問に答えてくれる。長野県の地名が随所に出てくる楽しい信玄本だ。筑摩、安曇、木曽、高遠、佐久平、北信濃など。「信濃は国土が山脈、河川、湖沼で縦横に区切られ、盆地や谷に分かれている」。確かに、犀川、千曲川、木曽川、天竜川、諏訪湖、野尻湖とそのとおりだ。「狭隘な地域ごとに地侍が城砦を構えていて、たがいに抗争をくりかえしている」。歴史にはあまり出てこないが、どんな武将が当時の信濃にはいたのかをこの本は教えてくれる。



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